時間を巻き戻すこと2013年11月3日。私は東北楽天と読売巨人軍が日本一をかけての最終戦を球場で観戦する幸運に恵まれました。3対0楽天優勢で迎えた9回裏、前日に160球投げた田中がファンの「あとひとつ」の地鳴りのような大合唱に送られてマウンドに立った時、球場全体が異様な雰囲気に包まれました。その田中が最後の打者を討ち取り優勝を決めた瞬間、鳥肌がたったのを今でもはっきり覚えています。
さて、2022年シーズン東北楽天は、あの歓喜を再びもたらしてくれるのでしょうか。
シーズンが開幕してからちょうどひと月が経過しようとしています。東北楽天は、4月20日時点で11勝4敗と上々の滑り出しです。
今季はまだ部分的には制約があるものの観客の入場制限なしで試合が行われますので魂のこもったプレーが期待できるはずです。今季はロッテ佐々木投手の活躍や新庄監督の常識を覆す采配など何かと話題に事欠かない楽しみなシーズンになりそうです。
恒例の開幕前のプロ野球解説者による順位予測では、残念ながら東北楽天の順位予測はあまり高い評価ではありません。プロ野球解説者は野球の専門家ですが、なぜかハズレが多いので気にする必要はありません。
専門家といえば一応プロとしての説明責任がありますから、各チームの戦力分析を細かく行い順位予想をしているはずです。にもかかわらず専門家の予想が素人並みということは、既に統計的に実証されています。同じく株や為替の専門家と言われる人の予測が当たる確率も素人並みです。
専門家らしさを発揮できるのはいつも後講釈だけです。
プロ野球は6チームのリーグ戦方式で144試合戦い、その勝ち負けの勝率を持って1位から6位までの順位を決める比較的単純なゲームですが、その勝率を決める要素は複雑すぎて専門家といえども予測の限界を超えているのです。
複雑といえば、身近な企業活動の見通しも同じようなものです。いくら知恵を絞り根拠を積み上げて計画を練ってもその通り行かないのが常です。優れた経営者といえども複雑に絡む文脈を正確に予見することは難し過ぎるのです。誤解を恐れずに言えばこの複雑さを乗り越えるカギは直感しかないと考えています。
経営者は周りの意見を聞きながらも、最後はエイ!ヤー!で判断するしかない局面に遭遇することが多いはずです。
優れた経営者は例外なく鋭い直感を持った人だと言っていいでしょう。
ステーブ・ジョブスもよく判断に迷った際には鉛筆を転がして決めたと側近がそのエピソードを著書の中で語っています。また、サイバーエージェントの藤田社長などは、社員研修の一環として麻雀をやらせていると何かの雑誌で読んだ記憶があります。その理由は、社員の直感力を磨くためだと。そう言えば麻雀の強い人は直感が鋭いようにも思います。麻雀の力量と直感力には何か相関がありそうな気がします。
最近では我々の身近な領域でもAI・ビッグデータに判断を委ねる機会が増えていますが、いつ何が起こるかわけの分からない時代だからこそ案外人間が持つ直感がモノをいうのではないかと思ったりします。安易に専門家の意見を信じるのではなく、自分の判断の中に前世から受け継がれてきた直感を取り入れて判断していくことが大事ではないかという気がします。
今マスターズ倶楽部の活動でやっているe-麻雀や山菜取りなどこの直感力に磨きをかけるのにうってつけの取り組みかもしれません。
最後に私の今季パリーグ順位予想をしておきます。優勝が東北楽天で、以下2位ロッテ、3位ソフトバンク、4位オリックス、5位西武、6位日本ハムです。自分なりにその根拠を考え考え、あとは期待を込めてエイ!ヤー!のこの直感当たるでしょうか。
投稿者:工藤 三四郎