先日、スナネコとマヌルネコを見るために那須高原にある「動物王国」に行ってきました。
スナネコは砂漠で、マヌルネコは寒い高地とどちらも厳しい環境に生息する猫です。
我が家に生息するネコとはまるで違った環境の中で生きています。
詳しくはネットで調べれば出てくると思いますのでそちらを見ていただきたいと思います。
いい歳をして動物園と思うかもしれませんが、動物園は実に楽しい場所で、よく動物を見に行きます。
動物園で動物の姿を観ていると、立派な毛皮で覆われたヒョウ、トラや体に似合わず可愛らしい耳をもったカバ、なんでそんな長い首になってしまったんだと思うキリンなど様々で見ていると飽きることがありません。
暇で何もすることがない時など、よく八木山動物園のゴリラ(名前ドン)を見に行きました。ゴリラは威厳に満ちた立ち振る舞いと時折見せるお茶目な仕草は昔どこかで会ったオッサンのようで親しみを感じたものです。晩年は見物に訪れる人に背を向けることが多くなり、哀愁漂うその後ろ姿は、背中で何か語りかけているかのようにも見えました。
残念ながら4年ほど前に国内最高齢の50歳で死んでしましました。
ゴリラと人間のDNAは94%同じだそうです。わずか6%の違いが動物園の檻の中か外か、
見るか見られるかの分かれ目だったと思うと不思議な気持ちになります。
専門家によれば38億年前に地球上に初めて生命(単細胞生命体)が誕生した。
しかも偶然に。
偶然生まれた単細胞は多細胞の生命体へと進化し、何万年もの長い時間を経て、あるものは遺伝子変異を起こしながら枝分かれをし、現在では何万種にも及ぶ様々な動物が地球上に生存しているというわけです。科学的に見れば人間もこれらの生命体の一品種に過ぎないことは明らかです。
なぜ人間だけが道具をつくり未来を考える高度な精神活動ができる生命体に変化したかは依然謎に包まれているようですが、これも進化の過程のおける偶然の出来事と考えられています。
生物の基本単位は細胞ですが、この中にDNAとして設計情報が折りたたまれており、ほとんどがこの設計情報に基づいて正確にコピーされる。ところが、稀に起こる偶然のコピーエラーによって変異種が生まれてくる。このコピーエラーによる変異こそが進化と言われる現象なのだそうです。コロナウィルスも変異しながら必死に生き延びようとしているようです。
7千万年前は、ご存知のテラノザルウスなど恐竜が地球上を席巻していた時代で人間のような小型哺乳類はまだ生息していなかったということです。それが6千万年前にユカタン半島に巨大員石が落ち地球環境が一変したことで、巨大生物の恐竜が絶滅し、ようやく我々のご先祖様に近いやや小ぶりの哺乳動物が登場した。
もし、巨大隕石が落下という偶然がなければ、現在も恐竜が地球上を支配してたと考えてもおかしくないのかもしれません。
途方もない時間をかけ他の動物とは異なる進化を遂げ、高度な精神活動を手にした私達は、この先、また何万年もかけ、偶然の変異によってどんな姿・形に進化し、地球環境の変化に適合していくのでしょうか。
バイオミメテイックスとして知られる動物や昆虫からの学びで私達は動物から多くのことを学んできました。新幹線は空気抵抗を小さくするためにカワセミの口ばしの型を真似し、フクロウの羽からはパンタグラフの騒音を抑えるヒントを得ています。また、痛くない注射針は蚊の針を参考に作られています。ある自動車メーカーは魚の大群が互いに衝突することなく自在に動きまわることに着目し、衝突しない車づくりに応用しようとする試みもあるようです。
たまには、日常の雑事を忘れ、動物園に行ってその生態をじっくりと観察するのも悪くないと思います。動物から学ぶことはまだまだありそうです。
投稿者:工藤 三四郎