ある政治家が事業仕分け作業中に計算速度で世界一を目指していた事業に対し予算の縮減のために「2番じゃダメなんでしょうか」の発言が当時マスコミを賑わせたことを記憶されている方も多いと思います。
昔ある企業セミナーに参加した際、講師に「皆さん!日本で一番ブランド価値の高い方はどなただと思いますか?」と質問され、答えが思いつかず困っていたところ、講師から出てきた答えは、なんと!「天皇陛下」でしょうというものでした。(日本の象徴としての存在である陛下を一般人と比較するのは適切ではないかもしれませんが)
予想外の答えでしたが陛下がお泊まりになった宿とか召し上がったお菓子などのモノやサービスは価値が高まるという説明でした。つまり天皇陛下という特別な存在が商品やサービスのブランド価値を高めるというわけです。「なるほど!」と納得したことを覚えています。
今、同じ質問をされたら大谷選手あたりがあげられるでしょうかね。大谷選手が使ったモノであればオークションサイトで信じられないような価格で取引されているようです。今やブランド価値という点ではNo. 1といってもいい存在ではないでしょうか。
同じメジャーで活躍する鈴木、松井、今永選手等の活躍は残念なことに大谷選手ほど話題にはなりません。大谷選手ほどのブランド力はなさそうです。この違いはなんでしょう?
誰でも日本で一番高い山は富士山とすぐに思いつくけど、二番目高い山の名前が出てくる人は、真面目に勉強をしたか山に関心の深い人でないとすぐには浮かばないでしょう。これが一番の持つ価値の意味と考えられます。
先の政治家の発言はNo. 1の意味や背景を深く考えずに発言したことで逆に注目されてしまったのだと思います。
オリンピックでもNo. 1の金メダルには特別な価値があるようにみえます。
今大会日本人初の金メダリストは柔道の角田選手でした。それだけに国内での注目度も高く、巴投げの名手として名前を知られることになりました。
選手にとって金メダルの価値は金銭的なものだけではなく競技に専念できる環境など競技人生にもプラスの変化をもたらすのでしょう。
ビジネスにおいても同じ文脈で古くから「No. 1を目指せ!」という鉄板ルールがあります。
地域、カテゴリー、新サービス等なんでもいいから市場でNo. 1になることで知名度やその存在感により優位に商売をすることができるというわけです。
とはいえ、No. 1の存在は一つだけですから口で言うほど簡単ではありません。No. 1になるのは多くの場合、当たり前ですが困難です。
そんな時に元SMAPの歌が思い浮かびます。
♫・・・一つとして同じものはないからNo. 1でなくてもいい、もともと特別なオンリーワン・・・♫
です。
ということで、あえて競争を避け唯一の存在であるオンリーワンを目指すのが賢い選択になるのではないでしょうか。
他社や他人と比較したり、真似や後追いをするのではなく、もっと積極的にユニークなオンリーワンの存在になることを目指すというものです。
みんなと同じである必要がないにも関わらず日本では、同じような商品やサービスをつくり細部のこだわるあまり無駄な競争をしがちです。
私は、これをお利口さん達のジレンマと勝手に呼んでいます。
これから先は、普通に誰でもできるような仕事は、AIなどの急速な進化で徐々に置き換えられる可能性が高くなるとも言われています。ユニークな考えや行動ができる人が新たな価値を生み出す存在になるような気がします。
組織の中でユニークな人は変わった奴と白い目で見られがちで、人と違う考えや行動を取ることには案外勇気が必要かもしれません。
日本人が最も考える力があったのは日本の近代化に貢献した明治初期の人材だったそうです。
これらの個性的な偉人のほとんどが江戸の終わりに寺子屋で学んだ人達だった。
同質で出来の良い人材を排出することを目的としてきた教育システムも少し見直していく必要があるのかもしれません(教育を語る資格なしですが)
ユニークな人だけになったらどうなるんだ!バランスの問題でしょう。
投稿者:工藤 三四郎